こちらの商品は、実際にお送りする商品の現物写真を掲載しております。ワニ革特有の「竹斑」や「丸斑」の現れ方をご確認の上ご購入ください。
スーツの内側で、静かに凄む。
手縫い職人「弐乗」——藍染濃紺ポロサス二つ折り財布
お立場のある方が、さりげなく、かっこよく持つ。
馬車道今井がそんな一本として仕立てた、最高品種ポロサスのコンパクト二つ折り財布です。
この財布の青は、化学染料の均一な青ではありません。日本の伝統技法「藍染」を、職人が一枚ずつ手作業で染め重ねて生まれた、深く重厚な濃紺です。
会計のひととき、スーツの内ポケットからすっと取り出す。その所作にこの藍がちらりと覗く——声高に語らずとも、分かる人にはこの色の奥行きが伝わる。革の王様に日本の伝統を宿した、静かに凄む一点です。
なぜ、この一枚なのか ——店主が選び抜いた一点

この財布の価値を決定づけているのは、二重の希少性です。
ひとつは、最高品種ポロサスであること。もうひとつは、その革に「藍染」という日本の伝統技法を施していることです。
通常、単色のクロコダイルは数十枚をまとめて効率よく染色します。しかしこの藍染ポロサスは、藍染専門の職人が一枚ずつ手作業で染色と乾燥を繰り返し、深く重厚な藍を少しずつ育てていきます。まとめて染めることのできない、途方もない手間。だからこそ出せる奥行きと深みが、この財布の品格を決定づけています。
馬車道今井の店主は、そうして染め上がった中から、二つ折りの両サイドにポロサスの象徴である丸フが美しく揃い、藍の発色が最も美しい一枚を——136年、革と向き合ってきた目で「これ以外にない」と選び抜いています。
これは「在庫の中の一つ」ではありません。手染めゆえに、同じ藍の表情は二つと生まれません。この濃紺は、世界でこの一枚だけのものです。
ご自身で革を選ぶのがオーダーだとすれば、これは店主と職人の審美眼が「これ以外にない」と選び抜いた一点を、そのまま手にしていただく体験です。オーダーのように待つ必要はなく、この一枚を今日そのままお持ち帰りいただけます。
「世界全体の約0.2〜0.4%しか存在しない、革の王様」

スモールクロコダイル、別名「イリエワニ」とも呼ばれるポロサスは、その流通量が世界全体のクロコダイルの中でわずか10%前後という、最高品種の「革の王様」です。
老舗の革屋が顕微鏡レベルの厳しい目で表面をチェックし、トップクオリティの「1級〜3級」を選別。この基準を満たすのは市場のワニ革全体のわずか0.2〜0.4%という、まさに幻のような素材です。当店はその中でもさらに選び抜かれた「1級・2級」のみを使用しています。
ポロサス最大の特徴は、鱗ひとつひとつが小さく、腹部の整然と並ぶ正方形の鱗(竹腑)から、横腹に向かって丸い鱗(玉腑)へと変化する配列にあります。その美しさは「黄金比」と称されるほど別格です。この財布は、その最も贅沢な腹部位から、丸フが両サイドに揃う稀少な小ぶりサイズを選び、一枚から一つだけを裁断して仕立てました。
未完成のロマン ——手の中で深まる、藍
この藍は、いま完成形ではありません。
もともと程よい艶をたたえていますが、その艶感はそのままに、使い込むほどに藍の色は少しずつ深く、濃く沈んでいきます。
日本の藍染が古来「時とともに味わいを増す色」とされてきたように、この財布も、共に過ごす年月の分だけあなただけの濃紺へと育っていく——買った瞬間がピークではない、育てる悦びがここにあります。
コンパクトという選択について
この財布がコンパクトであることは、格を下げる理由には一切なりません。
長財布との違いは「使う革の量と職人の時間」だけ。素材の希少性も、藍染の手間も、選定の審美眼も、仕立ての妥協のなさも、まったく同じです。むしろ限られた面積の中に、最高品種ポロサス・藍染職人の手仕事・弐乗の手縫いという三つの技を収めることの難しさこそ、この一点の価値。
手のうちに収まる小ささを選ぶこと自体が、もう誰にも証明する必要のない者の、静かな余裕なのです。
内側・フランス産ボックスカーフレザー
内装には、生後間もない上質な子牛皮からスムース向きの革を厳しく選別して使用しています。表面は非常にきめが細かく、程よい光沢が品格を添えます。
あくまでポロサスの品格を主役とし、内装には柄のない上質な牛革を合わせることで、藍のクロコダイルが引き立ちます。内装に隠れるクロコダイルの部位まで厳選し、素材同士が響き合う「上品な調和」を追求しました。
控えめでありながら、深い余韻を残す。それが、私たちが考える“真の贅沢”です。
手縫い職人「弐乗」(にじょう) ——仕立てのこだわり
この二つ折り財布を仕立てるのは、当店に新しく加わった手縫い職人「弐乗」。巨匠から受け継いだ繊細な手縫いの技で、革の裁断から縫製まで一貫して命を吹き込みます。
一般的なミシン縫いは行わず、あえて手縫いで仕立てることで、「薄く、シャープに、上品」な出来栄えに。スーツの中からさりげなく取り出すその所作が、紳士のビジネスシーンを静かに演出します。
手に取っていただければ、仕立ての力の違いがお分かりいただけるはず。すべてのクオリティにこだわり抜いた、馬車道今井の自信作です。
真の価値を理解し、モノを育てる悦びを知る紳士にこそ手にしていただきたい、一点です。
「馬車道今井の想いと、価格へのお約束」
当店の製品には、決して安売りできない明確な理由があります。
ひとつの製品が完成する裏には、途方もない「陰の苦労」が詰まっています。命をいただく厳しい仕事、過酷な環境下でのなめし作業、そして、職人たちが人生をかけて習得した血の滲むような技術。それら数多くの見えない「おかげさま(支え)」の上に、当店の革製品は成り立っています。
馬車道今井は、日本の革業界の地位向上を理念に掲げています。
職人たちが誇りを持って技術を振るい、次世代へバトンを繋いでいくためには、彼らの命を削るような仕事に対して「正当な対価」が支払われなければなりません。私たちが提示する価格は、この業界の未来を守るための「適正価格」です。
誰かが泣きを見るようなモノづくりからは、本当の「本物」は生まれません。
この哲学に共感し、職人の異常なまでの熱量を受け取ってくださるお客様にこそ、私たちの製品をお届けしたいと強く願っております。